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アンジェス MG株式会社(アンジェスエムジー)は、遺伝子医薬の開発を行う日本のバイオ製薬企業。大阪大学医学部助教授の森下竜一(創業者)による研究成果を基に1999年12月発足。2002年9月に大学発創薬型バイオベンチャー(遺伝子治療薬の創薬企業)として初めて東証マザーズに上場。 == 概要 == 以下の3つのプロジェクトをビジネスの柱としている。 *HGF遺伝子治療薬 - HGF(肝細胞増殖因子、hepatocyte growth factor)の遺伝子を患部に投与することにより血管の新生を促し、末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症やバージャー病)や虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の治療を行う。 *HGF遺伝子治療薬の新たな薬効 -同社はリンパ管の新生という新たな薬理作用を見出し「リンパ浮腫」に対する新薬を開発中。リンパ浮腫は、根本的な治療方法がなく、症状進行した場合、治療充足度が非常に低いとされている疾患。 *NFκBデコイオリゴ - デコイ(decoy=囮)とは、ゲノム上の転写因子結合部分に転写因子が着地することを阻害して遺伝子の働きを抑える働きをする短い核酸 (DNA) であり、核酸医薬の一種。免疫反応を強める遺伝子のスイッチである転写因子 NFκB に対するデコイを投与して、アトピー性皮膚炎や関節リウマチなどの免疫炎症性疾患の治療を行う。2014年8月、アトピー性皮膚炎治療薬について国内第Ⅲ相臨床試験に進むことを決定した。 *Allovectin - 免疫の賦活化(活性化誘導)により腫瘍細胞を直接攻撃して除去する新しいメカニズムの免疫誘導型の癌治療ワクチンであり、安全性、有効性ともに優れた画期的な新薬として期待されていたが、2013年8月に米国Vical社が転移性メラノーマ治療薬として行っていた第Ⅲ相臨床試験の結果について、主要評価項目である奏効率と副次評価項目である全生存期間のいずれにおいても統計学的に有意な改善効果が示されなかったと発表。同社はメラノーマ以外の癌疾患への展開についてはまだコメントしていない。 これらの医薬品の開発・販売にあたって、石原産業、第一三共、グッドマン、アルフレッサファーマ、塩野義製薬、田辺三菱製薬、といった日本のバイオ・製薬企業と一部提携を結んでいる。 日本で遺伝子治療は未だ各社臨床試験中だが、遺伝子治療薬の実現が一番近いとされているのが同社の「HGF遺伝子治療薬」(コラテジェン)。2008年3月に厚労省に製造販売の承認申請を行うが、2010年10月臨床不足で申請取り下げを行っている。世界初で画期的な新薬となるはずであったが失望され株価は暴落した。その後、同社は米国を中心とした国際共同治験を2014年10月から開始した。 ムコ多糖症VI型の酵素補充療法薬「ナグラザイム」(米バイオマリン社による開発・販売商品)が薬事食品衛生審議会薬事分科会の通過から3日後の2008年3月28日にスピード承認となった。厚労省によると、日本では患者数6人と公表している(2008年)。患者を多く見積もっても販売によって利益水準に達することはない。未熟なマーケティングというよりも慈善事業、宣伝広告を狙ったもの。アンジェスの決断は2005年5月日本テレビ系列のドキュメント番組で児童を救う企業として宣伝された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アンジェス MG」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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